ブルーモーメントを引き延ばせ

最近は竣工を迎えるプロジェクトが多く、撮影に臨む機会が増えています。
H.Pに掲載される竣工写真は、基本的には所員が撮影した写真を使用しています。
数年、時には10年近く携わったプロジェクトを1,2回で撮影し、
それがH.Pで紹介される…なんと重責な任務でしょうか。
そこで今回は撮影時に注意している点を紹介させて頂きます。

ブルーモーメントと呼ばれる時間帯があります。
日没後に空が青色に染まり、深い青、そして暗くなるまでの時間帯を指します。
青が少しずつ深まっていく中、特に電球色の光はその対比により、
次第に金色に輝くような錯覚を感じるほどに煌めきはじめます。
ここが勝負、なのですが日没から20分前後という実に短い時間です。
そこでブルーモーメントでの撮影時間をできるだけ引き延ばします。

日没前に現地入りし、空間構成と光のデザイン意図をズバリ一枚で説明できるような
印象的な場所を探しますが、その際に必ず方角をチェックします。
方角によってブルーモーメントの開始、終了時間が異なるためです。
当然ですが日は西へ沈むため、空の青は東側からやってきます。
そのため東側の空が入るアングルから撮影を始めると、
西側のアングルでもまだブルーモーメントで撮影できる、というわけです。
順番を間違えると空はあっという間に暗くなってしまうので、とても重要な準備です。

父がカメラマン、という理由で撮影を任せられはじめましたが、
その息子は素人です。しかも父の専門は料理や工芸・手芸が中心で…
などと言い訳をする暇も虚しく、なんとかデザインに見合うような写真を、とやっております。
竣工プロジェクトをご覧の際は是非じっくり見て下さいね。

150526
△方角によって空の青の深みにこれほどの差があります

南雲祐人

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