光をもたらす照明とその光を受けとめる周辺との間に光環境の真理があり、その具合、調子でヒトは明るい、暗い、心地よいなどの感覚を受けとることになります。まさに、光と陰がつくりだす空気感や気配が場を決定づけているのです。照明デザインは、私たちを取り巻く様々な環境に気持のよい光と陰の関係を創りだしていくことだと思っています。

また、エネルギーと照明の関係は今日的課題として大きくクローズアップされてきています。本来、照明デザインの役割は適量の光を適正な場所に配することで空間の特性や性能を向上させることだと理解しています。決して沢山の電気の消費や量的な照明の充実を目的とするものではありません。光源の技術革新が進む中、その場に相応しい照明手法、運用などデザイン面からの工夫で省資源化に配慮した照明環境を創出していくことが私達の使命です。

この次代につながる維持継続性のある空間創造のため、さまざまなクリエイターとのコラボレーションに私たちは惜しみない努力を続け、対象となる場に新たな魅力と解釈を与えられるよう照明デザインに取り組んでいきます。