年明けから3月まで息つく暇もないほどの日々が続いていましたが、4月に入りちょっとスローペースになっています。だからというわけではありませんがブログが全く手つかずであることに気づき、これはまずい!とちょうど読み終えた本の話題をひとつ。
人が健康であるためにはもともと備わっている体内時計が適正に働かなければならないそうです。その主たる要因のひとつに光があり、昼間はたくさんの光を享受し、夜になれば暗さに馴染んでいくような生活環境に身を置くことで体内時計が整えられるそうです。自然光には多くのブルーライトと呼ばれる成分が含まれており活性化に大きく貢献していますが、日没後も同様な光を受けていると体内時計が狂い様々な病気の原因ともなるらしいです。したがって夜間は光の量を減じてかつブルーライトの成分を極力取り込まない工夫が必要とのことです。この理論や研究成果は全くもって照明デザインの考えとも符合するところだと思わず頷きました。ブルーライトはPCやスマホの画面からも発せられ、至近距離での凝視が続くと好ましくないとされていますが、私たちの照明も気遣いや工夫が必要ですね。仕事場でも今は夜間になったら光量を落とす対応がとられていますから、寛ぎの場である家庭では一層その工夫が求められることになります。照明デザインは光の量を増やし明るくしていると思われがちですが、本質はそのようなことではありません。調光や減灯などの巧みなコントロールによって運用することもデザインの大切な役割となります。今やLEDが照明の主流になりつつあり、オフィスやショッピングなど活動空間でのメリットは高いですが、住宅ではこの一辺倒の考えは好ましくないでしょう。ハロゲンやクリプトンなどの白熱系電球も調光との組合せで、電力負荷も発熱も抑えられることは多くの人が知るところです。さらに適度な暗さと温もり感がブルーライトの影響を抑制し体内時計を整えることにつながるなら、人の暮らしと生理にとって願ったり叶ったりです。これから住宅にもLEDが普及していくことになりますが、従来光源や調光との上手な組合せが求められていくでしょう。ブルーライト 体内時計への脅威 坪田一男著を一読して
ブルーライトの功罪
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