2003年のデザインコンペから足掛け10年の東京駅八重洲プロジェクトがようやく竣工を迎えます。その間、2007年には2本の超高層グラントウキョウノースタワー&サウスタワーが先駆けて竣工し、2012年秋にはノースタワーの商業エリアが完成していました。そしてこのたび中央のグランルーフが完成間近となりました。
10年前に立案した照明コンセプトは今も変わることはありませんが、この間私たちを取り巻く照明環境は大きなうねりをもって変遷してきました。光源は21世紀に入りLEDの時代を迎えここ数年の間にかなり実用化が進んで来ました。他方、一昨年の未曾有の震災はエネルギーの事情を浮き彫りにし私たちの日常に大きな影を落としてきました。グラントウキョウの超高層も今年の春までは節電のため消灯されていたのです。
そのような状況の中でグランルーフが竣工を迎えます。光源は高出力のLEDがギリギリ間に合ったことで、かなりの省エネを図ることが出来ました。また、調光によるコントロールにより運用面も含めてかなりのメリットが出てきています。
白いテント地の大屋根は照射が容易なようでかなり難しい光の条件があることも知りました。白いテントは白い布にあらずで、予測を越えるぎりぎりの調整がありましたが、この9月に無事光を纏うことが叶いました。
さて、八重洲開発はこれから駅前広場が工事に入り、全体の完成を見るにはもう少し時間を要することになります。