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アーバンデザインの全軌跡

「北のセントラルステーション」と題した本がこの秋発刊されました。

都市計画の加藤源(故人)氏がデザインチームの牽引役となり推進してきた旭川の街と川と駅を一体で整備する「北彩都あさひかわ」の四半世紀にわたる都市デザインの軌跡をまとめた本です。

この街づくりの特徴はランドスケープデザインから街を構想することであり、計画の初期段階では全体の鳥瞰図やディテールのスケッチ(ウィリアム・ジョンソンによる)など街全体のイメージが描かれ、そのイメージをもとに設計が進められていったことです。

デザインチームのメンバーはそれぞれの分野の専門家が指名され、その中に光環境計画として我々も加えていただそれきました。それまで面識もなくフリーランスとなって3年に満たない小さな事務所であったが、加藤氏から直接指名を受け、この壮大な計画に参画できることに胸が踊ったのを鮮明に覚えています。程なくして現場に飛び広大なサイトを歩き、描かれたランドスケープのスケッチから夜の景のイメージを構想するのはかなりタイトなスケジュールであったとは言え喜びであり楽しいものでした。我々が計画に関わったのは四半世紀の一部にすぎませんが、こうやって軌跡の記録の中に言葉や光のイメージが残せたのは意義深いことでした。

その後、加藤氏からは東京の豊洲2・3丁目開発計画でまたお声がけいただき、45haに及ぶ地区のマスタープランづくりから街並みが整うための計画ルール部会を通じて今でも関わりが持てていることに深く感謝しています。