長年にわたって照明デザインで関わってきました東京駅八重洲開発計画が、優秀な建築物に贈られるBCS賞と優れた構造物や公共的な空間デザインに贈られる土木学会デザイン賞優秀賞を受賞しました。早いもので全体が完成して約2年が経過しようとしています。2007年にグラントウキョウノース&サウスタワー、2012年にノースタワーの2期工事エリア(商業棟)、2013年に中央のグランルーフが竣工し、さらに2015年には駅前広場が完成というように段階的に整備が進んできました。私たちにとっても最長のプロジェクトとなりました。
照明デザインを始めたのは2003年です。当時考えたアイデアと実現したデザインは今でも錆付いていないと自負しています。その間に照明技術は長足の進歩を遂げLED化に大きく舵を切ることになりました。LEDドットと背面の光パネルから成る2層レイヤーのタワートップは当時どこにもないデザインでしたが、現在ではLEDのドット表現は当たり前になっています。専有部(室内)に設置された高層棟を縦につなぐ光は今でもなかなか実現しない照明方法となっています。
照明デザイン関連の賞は竣工後2年以内を対象とするケースが多いためこのような段階的な開発ではまとまった賞の応募ができませんでした。最初のツインタワーだけは北米照明学会のAWARD OF MERITを受賞しましたがその後は応募出来ずにいました。
今回のような建築や土木の賞は経過した時点での評価ということで大きな意味合いの違いを知るとともに息の長いプロジェクトに参加できてよかったと改めて喜びを感じています。
BCS賞 東京駅八重洲開発 グランルーフ、グラントウキョウノースタワー&サウスタワー、駅前広場
土木学会デザイン賞優秀賞 東京駅八重洲開発 グランルーフ、駅前広場