峠を越したとは言えまだ厳しい暑さが続いておりますが、お変わりなくお過ごしのことと存じます。
今夏は政策的な節電はなく街の明かりも安定化してきているようです。これには新光源として普及を見たLEDも少なからず貢献していると思いますが、最も大きな要因は上手な電気の使い方が自ずと見えてきて、適正な運用が行われるようになってきた証しかと思います。私たちは今後も合理的なスタンスを崩すことなく、照明がもつ魅力や効用を最大限に活かし、生活空間の向上に取組んで参ります。
さて、そもそもヒカリにタカチなどあろうはずはありませんが、光を伴う形が陰影の中で息づきその場の特徴を際立たせることがよくあります。光と陰は図と地の関係に似ており、そのバランスを巧みに創りだすことが照明デザインの真理でもあります。これからも少ないエネルギーと光で空間を形成する創意工夫に心を砕いて参ります。
観測史上最高気温を記録したこの年、まだまだ暑い日が続きそうですが、どうぞご自愛ください。
2013年 晩夏