LEDの急速な普及からこのところブルーライトが時々取り沙汰されています。そこでちょっとひもといてみましょう。
■ブルーライトその1
円卓イベント「照明力」でChiefのOokaさんがブルーライトヨコハマを取り上げ、うたとまちとあかりの関係をひもといたのは3年ほど前になります。これは私の勝手な解釈ですが、おそらく作詞された当時は港湾地区にもあのナトリウムのオレンジの光はまだなく、緑青がかった水銀灯の光がぼんやりと点いていたとすれば、水辺のイメージカラーと相まって横浜のブルーライトの印象が増幅したのではないかと頷けます。
都市スケールでは20数年前横浜の夜景を象徴するブルーをテーマカラーとしたベイブリッジが存在感を増し、近年では六本木けやき坂のブルーのイルミネーションが冬の景を彩どり、スカイツリーにも透明感のあるブルーが用いられ話題になっています。
このように青い光は風景の中で効果的に作用し多くの部分で受入れられているのは周知のことです。
■ブルーライトその2
一方,薄ぼんやりとした青い光が遊歩道に並んでいて何とも気持ちの悪い街灯りを時々見かけます。ブルーライトが鎮静効果があるとされ、犯罪抑制につながるという見地から一部公共空間で採用されているようです。しかしながら光環境としてはかなり劣悪であり、犯罪を起こそうとする輩すら近寄らないと言うブラックジョークも聞こえてきます。
青い光は電車のプラットホームでも近年よく見かけるようになりました。こちらもはやった気持ちを抑制する効果から採用されているようです。
■ブルーライトその3
いまや照明分野の雄として確固たる存在となったLED。そのブルーライト問題が最近取り沙汰されるようになってきました。LEDは従来光源に比べ可視光領域のブルーの波長が多いことからそれによる身体的または心理的障害を引き起こすのではないかという問題です。これは日常の照明に限ったことではなくPC画面、スマホ画面も同様のようです。これは由々しきことですがその度合いが問題ではないでしょうか。量×距離×時間の適正の数値があるとすれば、それが示されないとなかなか判断がつきにくいことかもしれません。
陽が西に傾きやがて日没を迎え、空が深い青に変わっていく。美しいブルーモメントの時間があることを私たちは知っています。そもそも光や色に罪があるわけではありません。ブルーライトの効用、功罪についてよく知り、判断して、使っていくことが必要ではないでしょうか。憶測で判断しないよう努めていこうと思っています。富田泰行